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跡継ぎ・後継者がいない会社の現実と、事業承継のポイント-企業成長支援- GDG

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2025.05.17

跡継ぎ・後継者がいない会社の現実と、事業承継のポイント

1. はじめに

日本全国の中小企業で「跡継ぎ」がいないという問題が深刻化しています。中小企業庁の調査によると、約3割の企業が後継者不在のまま次の経営者を決められず、廃業に至るケースも少なくありません。

本記事では、「跡継ぎとは何か?」という基本から、跡継ぎを巡る課題、準備のステップ、成功・失敗の事例までをわかりやすく解説します。

2. 跡継ぎとは何か?

「跡継ぎ」とは、家業や企業を次世代へ受け継ぐ人物、またはその役割を指します。伝統的には「家督相続」とも言われ、家族内での承継が主流でした。現在では、企業経営の「後継者」という意味で使われることが多く、親族に限らず、従業員や外部の第三者が跡継ぎになるケースも増えています。

「跡継ぎ」と「後継ぎ」は似た意味で使われますが、ややニュアンスが異なります。「跡継ぎ」は家業や地位の承継を強調し、「後継ぎ」はより広く「後任者」を指します。事業承継の文脈では、いずれも「次の経営者」として使われますが、地域や世代によって使い分けられることもあります。

3. 跡継ぎが求められる背景

日本の中小企業では、経営者の高齢化が進み、平均年齢はすでに60歳を超えています。しかし多くの企業では、経営者が退任直前まで後継者を決められないまま時間が過ぎていきます。その結果、業績が黒字であっても後継者不在によって廃業に至るケースが増え、地域経済にとっても大きな損失となっています。

こうした背景から、跡継ぎの確保と早期の育成は、企業存続に直結する経営課題となっています。

4. 跡継ぎ問題の実態とよくある課題

実際には、跡継ぎ候補がそもそも存在しないケースも多くあります。また、候補者がいても本人が跡を継ぐことを拒否したり、たとえ引き受けても経営経験や人脈などが不足していたりすることで、十分な準備が整わないまま承継を迎えてしまうことがあります。

さらに、社内の理解や取引先との信頼関係が築けず、社内外の調整に失敗することもあります。株式や相続に関わる問題が複雑化し、争いに発展することも珍しくありません。

そして何より、経営者と跡継ぎ候補のあいだのコミュニケーション不足が、これらの課題を深刻化させる要因となっています。

5. 跡継ぎの成功事例・失敗事例

事業承継に成功している企業では、経営者と跡継ぎが早い段階から事業のビジョンを共有し、後継者が経験を積むなどして視野を広げています。さらに、株式の整理や税務対策を専門家と連携して進めることで、スムーズな承継を実現しています。

一方で、事業承継が円滑に進まないケースでは、跡継ぎが社内で孤立してしまったり、既存の社員との関係がうまくいかず、離職者が相次ぐこともあります。加えて、跡継ぎに経営力が備わっていないと、承継後に業績が悪化するリスクも高まります。

6. 跡継ぎ準備に必要なステップ

たとえ親族であっても、本人の意思や適性がなければ、承継後の経営がうまくいかない可能性が高くなります。また、社員の中に後継候補がいたとしても、現場感覚だけでは経営の視点を持ちづらいケースもあります。誰に継がせるのかは、「誰が最も企業を未来へ導けるか」という視点で冷静に判断することも重要です。

候補者が決まったとしても、すぐに経営を任せられるわけではありません。経営者としてのスキルや視座を高めるためには、段階的な成長支援が必要です。実務経験を積ませながら、意思決定やリーダーシップに関するトレーニングを行うことで、経営者としての自覚と責任感が育っていきます。加えて、現経営者と十分に対話を重ねることで、経営理念や価値観を共有し、軸のある経営が可能になります。

7. 跡継ぎがいない場合の選択肢

もし適切な後継者がいない場合でも、選択肢は残されています。たとえば、M&Aを活用して第三者に承継するという方法も一般的になってきました。近年では、企業の理念や文化に共感する跡継ぎ後継者を募集するサービスも存在するなど、事業の存続と発展を重視した承継も可能になっています。

8. 企業を未来につなぐために大切なこと

事業承継は、単なる「人の交代」ではありません。経営の意志や理念、そして未来への責任を次の世代に手渡すという、大きな節目です。そのためには、社内外の信頼関係、経営資源、事業モデルの見直しなど、多角的な準備が求められます。そして、「どう引き継ぐか」ではなく、「なぜ引き継ぐのか」を問い直すことです。承継の本質を見失わずに準備を進めていくことで、企業はより強く、未来へとつながっていきます。

9. まとめ

跡継ぎ問題は、単なる「人選」ではなく、企業の未来を左右する大きな経営課題です。「跡継ぎがいないかもしれない」と感じた時点で、すでに事業承継の第一歩は始まっています。早すぎる準備はありません。

株式会社グランド・デザイニング・グループ(GDG)では、では、以下のような観点で事業承継の跡継ぎ支援を行っています。

  • 後継者の選定に関するアドバイス
  • 承継計画の立案と実行支援
  • 親族内・社内・第三者への承継それぞれの対応ノウハウ

事業承継は、「いつか」ではなく「今から」始めるべき課題です。早期の対話と計画的な準備を通じて、会社の想いや価値を未来へつないでいきましょう。

ご相談は無料です。お気軽にお問い合わせください。

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