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事業承継コンサルティングの選び方|目的と相談内容から最適な相談先を見つける方法

更新日 : 2025.06.10

GDGマガジン|中堅/中小企業経営者のためのビジネスメディア

事業承継は、経営者の皆さまにとって人生最大の決断の一つです。しかし、「いざ相談しようにも、どこに相談すればいいのか分からない」と悩まれる方は決して少なくありません。相談先を間違えると、悩んでいる内容への適切なアドバイスが得られなかったり、貴重な時間や費用が無駄になったりするリスクもあります。

この記事では、事業承継に関するコンサルティング相談先の検討にあたって知っておくべき、「事業承継コンサルティングの特徴」や「提供されるサービス」について解説します。会社の状況に合った最適な相談先を見つけ、後悔のない事業承継を実現するためのヒントを見つけていきましょう。

1. 事業承継コンサルティングとは

事業承継コンサルティングとは各領域における専門家の知見をもとに事業承継が円滑に進むためのアドバイス・サポートを指します。

ここで言う「各領域における専門家」には、事業承継に関するあらゆるプロセスが含まれます。代表的なものとして以下が挙げられます。

事業承継の手段や方法に関する相談

株式を承継する際の税務や法務に関する相談

経営の引継ぎ組織に関する相談

株式承継に関する資金、融資、保証に関する相談

第三者へ株式を承継するためのM&Aに関する相談

1.2 状況や求める内容に応じた、相談先の選定が必要

例えば「移動手段」に関する相談をしたい際に、トヨタのディーラーに訪問しても、電車の乗り継ぎに関する情報やカーシェアリング、飛行機のフライト情報に関するコンサルティングを受けることは難しいと考えられます。

同様に、事業承継と一口に言っても、その内容は多岐に渡ります。そのため、経営者の皆さまが置かれている状況や、求める内容に応じて相談すべきコンサルティング会社は変わるという点に留意が必要です。

事業承継は、経営や組織、後継者問題、株式、借入金など、様々な論点が組み合わさった壮大なテーマである反面、コンサルティング各社には、それぞれ得意とするサービスがあります。つまり、自らのニーズと、相談先の得意なことの両方を踏まえて、相談先を適切に選定する必要があります

2. 事業承継コンサルティングの主な相談先とそれぞれの特徴

事業承継の相談先は多岐にわたり、それぞれ得意分野や専門性が異なります。まずは、代表的な相談先とその特徴を理解しましょう。

2.1. 事業承継コンサルティング会社

事業承継コンサルティング会社は、事業承継全般の専門家です。
事業承継の全体像を俯瞰し、事業承継計画の全体像立案から実行までを一貫してサポートします
事業承継に関わる幅広い課題に対応できるのが強みです。

会社の経営を次の世代や新たな経営陣へと円滑に引き継ぐためには、株式を移すだけでなく、事業の持続的な成長と発展を見据え、多角的な視点からの準備と実行が必要です。また、後継者育成、組織、税務、法務、M&A、人材など、事業承継には多様な専門知識が求められます。

こうした各領域のプロフェッショナルとも連携し、経営者の方々が安心してスムーズに次世代へとバトンを渡せるよう、多角的に支援していくのも事業承継コンサルティングの特徴です。

事業承継コンサルティング会社は、以下のような方におすすめです。

事業承継の全体像を把握して体系的に進めたい方

M&Aや親族外承継など複数の選択肢を検討したい方

事業承継計画や後継者問題など課題が絡み合い、何から手をつけていいか分からない方

継続的なサポートを求める方

※事業承継計画については、以下の記事をご参照ください。

[関連] 事業承継計画とは。内容から作成目的、記載例、事業承継税制における特例承継計画の期限について

2.2. 税理士事務所

税理士は、事業承継における税務面のエキスパートです。相続税、贈与税、法人税など、承継に伴う税金のシミュレーションや対策、自社株評価に強みを持っています。税務申告や税務相談はもちろんのこと、事業承継税制などの優遇措置活用に関するアドバイスも得意としています。

税金対策を最優先で考えたい方、自社株評価について詳しく知りたいあるいは評価を抑えたい方、税制優遇措置の適用可能性を探りたい方は、税理士事務所への相談が適しています。

[関連] 事業承継に強い税理士の選び方|税務面以外での対応力もポイントに

2.3. 弁護士事務所

弁護士は、事業承継における法務面の専門家です。契約書の作成・確認、相続問題、定款変更、親族間のトラブル解決などに力を発揮します。法的なリスクの回避、紛争解決、契約交渉のサポートを得意としています。

法的な側面で不安がある方、契約関係で揉め事を避けたい方、親族間での承継でトラブルが発生しているあるいはその懸念がある方、遺言書の作成や遺産分割協議について相談したい方は、弁護士事務所への相談を検討すべきでしょう。

2.4. 金融機関(銀行、信用金庫など)

地域の金融機関は、事業承継に関する情報提供や、M&A仲介、融資などに強みを持っています。日頃から取引のある金融機関であれば、会社の状況をよく理解しているため、比較的相談しやすいでしょう。M&Aのマッチングや資金調達支援を得意としています。

M&Aによる承継を検討している方、事業承継後の資金繰りについても相談したい方、普段から取引があり信頼関係がある方は、金融機関への相談が有効です。

[関連]事業承継で持株会社(ホールディングス)は有効?活用のメリット・デメリット・スキーム

2.5. 公的機関(事業承継・引継ぎ支援センター、商工会議所など)

国の支援事業として設けられている事業承継・引継ぎ支援センターや、地域の商工会議所商工会なども相談窓口となります。多くの場合無料で相談でき、幅広い相談に対応し、必要に応じて専門家を紹介してくれます。

まずは無料で気軽に相談してみたい方、何から始めていいか全く分からない方、専門家を紹介してほしいと考えている方におすすめできます。※以下にリンクを記載しておきます。

事業承継・引継ぎ支援センター (外部サイトにジャンプします)

2.6. M&A仲介会社

M&A仲介会社は、その名の通りM&A(企業の合併・買収)による事業承継に特化した専門家です。売り手と買い手のマッチングから、交渉、契約締結までを一貫してサポートします。豊富なM&A案件情報や業界知識を持ち、円滑なM&Aの実現を目指します。

M&Aによる承継を具体的に検討している方、最適な買い手を見つけたい方、M&Aプロセスを専門家に任せたい方におすすめです。

3. 後悔しない事業承継コンサルティングの相談先選定ポイント

多くの相談先があるからこそ、どこを選ぶかが重要です。あなたの会社にとって最適な相談先を見つけるためのポイントを5つご紹介します。

3.1. 相談したい内容・目的を明確にする

まず、あなたが事業承継を通じて何を一番解決したいのかを整理しましょう。「税金対策を優先したいのか?」「後継者探しに悩んでいるのか?」「M&Aを検討しているのか?」「親族間のトラブルを避けたいのか?」など、目的が明確であれば、それに合った専門家を選ぶことができます。

3.2. 事業承継分野における専門性と実績を確認する

相談したいテーマに対して、その専門家が実際にどれほどの知識と経験、実績を持っているかを確認しましょう。単に「税理士」や「弁護士」という肩書きだけでなく、事業承継に関する具体的な成功事例お客様の声があるかどうかも判断材料になります。

3.3. 総合的な視点と他士業との連携ネットワークがあるか

事業承継は、税務、法務、人事、M&Aなど、さまざまな要素が絡み合う複雑なプロセスです。一つの分野に特化した専門家も必要ですが、全体を俯瞰し、多角的な視点からアドバイスを提供できるか、あるいは必要に応じて他分野の専門家と連携できるネットワークを持っているかは非常に重要です。

3.4. 担当者との信頼関係と相性を見極める

事業承継は長期にわたる取り組みになることが多く、経営者の深い悩みや個人的な情報も共有することになります。そのため、安心して本音で相談できる担当者かどうか相性が良いかは非常に大切です。初回無料相談などを活用し、実際に会って話すことで見極めましょう。

3.5. 費用と報酬体系が明確であること

相談料、着手金、成功報酬など、コンサルティングやM&A仲介にかかる費用体系が明確で、あなたが納得できるものであるかを確認してください。後から追加費用が発生しないか、事前にしっかりと確認することが重要です。

4. 事業承継コンサルティングに関するよくあるQ&A

Q1. 無料で相談できるところはありますか?

はい、事業承継・引継ぎ支援センターや地域の商工会議所などの公的機関では、無料で初期相談を受け付けています。また、多くの事業承継コンサルティング会社でも、初回無料相談を実施している場合がありますので、まずは気軽に問い合わせてみるのが良いでしょう。

Q2. 相談する前に準備しておくべきことはありますか?

事前に会社の財務状況(決算書など)、事業内容、抱えている課題(後継者不在、業績不振など)、そして「どうしたいか」という経営者様の想いを整理しておくと、よりスムーズな相談ができますよ。具体的な資料がなくても、まずは口頭で相談できるケースがほとんどです。

Q3. 複数の相談先に話を聞いても大丈夫ですか?

全く問題ありません。むしろ、複数の相談先に話を聞くことで、それぞれの専門性や費用、担当者との相性を比較検討でき、より良いパートナーを見つけることに繋がります。納得いくまで情報を集めることをおすすめします。

最適な相談先を見つけて、後悔のない事業承継を

事業承継は、経営者様にとって大きな決断であり、同時に新たなスタートでもあります。適切な相談先を選ぶことが、この一大プロジェクトを成功に導くための第一歩です。

この記事でご紹介したポイントを活用し、あなたの会社と経営者様の未来を託せる、最適なパートナーを見つけてください。

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監修者

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宇納 陽一郎

グランド・デザイニング・グループ代表。早稲田大学卒業後、野村證券にて営業・投資銀行業務に従事した後、日清食品にて経営企画・M&Aに従事。その後、PE投資会社にて複数社での事業承継および新体制構築を経験。経営や事業承継の実体験を活かした事業承継支援を提供。㈱ウォーターフロント代表取締役、㈱ナルネットコミュニケーションズ取締役等を歴任。

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