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跡継ぎがいない会社が後継者募集するために-企業成長支援- GDG

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2025.05.20

跡継ぎがいない会社が後継者募集するために

日本全国で、後継者不在の中小企業が急増しています。特に地方や製造・サービス業では、「会社を継がせたいが、子どもも社員も継がない」という声が数多く上がっています。こうした背景から後継者候補を社外から募集と検索する会社が増えており、“外部採用型の跡継ぎ募集”が現実的な選択肢となっています。

外部から後継者を募る動きが広がる背景

従来の事業承継は、「親から子へ」「創業者から社員へ」という内部承継が一般的でした。しかし、少子化や都市部への人口集中によって、社内に適任者が見つからない企業が増えています。そこで注目されているのが、外部の力を借りて事業を引き継ぐ“第三者承継”です。個人M&Aや事業承継マッチングサイトの利用が浸透しつつあり、意欲のある若者や経験豊富なプロ人材が地方企業の後継者として参画する事例も増加しています。

後継者候補から選ばれるための準備とリードタイムの重要性

後継者にとって「継ぎたい」と思える会社であることも重要です。会社の規模や業績も魅力の一つですが、「どんなビジョンを描いてきたか」「どんな未来をともに目指せるか」といったストーリーが共感を呼びます。

relay(リレイ)やニホン継業バンクのようなマッチングサイトでは、会社の理念や経営者の想いまでしっかり開示することが信頼を得る鍵です。また、こうしたマッチングは時間がかかるものです。

募集を始めたからといってすぐに理想の後継者に出会えるわけではなく、リードタイムを十分に見越して動く必要があります。候補者との出会いや選考、相互理解のプロセスには相応の期間が必要であり、早めの着手が成功の確率を高めます。単なる数字や実績だけでなく、人間味や誠実さが伝わる情報設計が求められます。

「誰に継いでもらうか」を描く:経営者候補の要件定義

第三者承継を成功させるには、「どんな人物にバトンを託すか」という要件を明確にしておく必要があります。漠然と「経営スキルのある人」と求めてしまうと、現実には理想像から遠ざかってしまうこともあります。中小企業の経営者は、営業から現場の采配、財務、組織運営まで多くの役割を担っており、その業務内容は会社ごとにまったく異なります。

たとえば以下の観点で要件を言語化すると、実際のマッチングに役立ちます。

  • 経営における重視ポイント(収益性・理念共感・地域貢献など)
  • 必要とされるスキルや経験(営業力、製造管理、マネジメントなど)
  • 求める人柄や価値観(誠実さ、挑戦心、地域との関わりを大切にする姿勢など)
  • 引き継ぎのスタイル(短期集中か段階的移行か)

こうした要件を丁寧に記載すると、すべてを担いきれる後継者が見つからないといったことも想定されます。ただし、こうしたケースでも事業承継を諦める必要はありません。むしろ、一人にすべてを任せるのではなく、経営者の役割を再定義し、チーム体制で支えるような新たな組織設計も視野に入れるべきです。

並走期間を設ける:パーフェクトを求めない承継設計

いくら優秀な後継者でも、現経営者の知識・ネットワーク・判断力を短期間で身につけるのは困難です。その前提に立ち、「並走期間」と呼ばれる学習・適応のフェーズを設けることが重要です。

この期間は、経営の所作や意思決定の背景を共有し、後継者が安心して成長していける土台づくりの期間でもあります。完璧な即戦力を求めるのではなく、育てる姿勢と時間の設計が、長期的な成功を導きます。

外部承継を成功に導く3つのポイント

1. 共創のパートナーを求める姿勢

新しい経営者を「雇う」のでなく、「共に未来をつくる仲間」として迎える姿勢が欠かせません。経営理念や大切にしてきた価値観を言語化し、共有する準備が必要です。

2. 会社側の変化と受け入れ体制の構築

後継者候補が安心して参画できるよう、業務の可視化や役割分担、権限移譲の仕組みづくりなど、会社側の準備も求められます。

3. 発信による共感形成

マッチングサイトの活用に加え、自社HPやSNS、メディア露出を通じて、自社の魅力や将来像を外部に発信しましょう。想いを発信することで、「この会社を継ぎたい」と思ってもらえるきっかけになります。

未来を託す覚悟

後継者募集とは、単なる採用ではなく「未来を託す意思表明」でもあります。そしてその準備には、時間も、問い直しも、勇気も必要です。

こうしたプロセスを一人で進めるのが難しいと感じたときは、専門家の伴走支援が有効です。

GDG(株式会社グランド・デザイニング・グループ)は、後継者候補の検討や組織体制の再設計、マッチング支援まで、承継の成功に向けた実践的なサポートを提供しています。次の一歩を踏み出すお手伝いをしています。ぜひお気軽にお問い合わせください。

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