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本部商談における棚割り提案|商談の有効性アップには、内容だけでなく「提案タイミング」が重要-企業成長支援- GDG

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2025.06.29

本部商談における棚割り提案|商談の有効性アップには、内容だけでなく「提案タイミング」が重要

本部商談の棚割り提案に「タイミング」が重要な理由

小売業に卸販売するメーカーにおいて、棚割りは売上を大きく左右する重要な要素です。前回の記事では、メーカーが本部商談において棚割り提案を行うことの重要性や、そのためのプロファイリングの必要性について記載しました。

しかし、どれほど優れた提案内容であっても、その提案が「いつ」行われるかというタイミングを誤ると、成果に結びつかないばかりか、商機を逃してしまうことも少なくありません。

本記事では、棚割り提案の成功を左右する「タイミング」に焦点を当て、本部商談で売上を最大化するための実践的なスケジュール管理と、その重要性について記載します。

本部商談における棚割り提案については、以下の記事を参照してください。

棚割り決定と展開の年間スケジュールを把握する

小売店における棚割りは、無計画に行われるものではありません。

多くの場合、季節やイベント、新商品の導入時期に合わせて、年間を通じて綿密な計画が立てられています。例えば、春夏に展開される棚の計画は、その数ヶ月前に策定されていることが一般的です。

この決定タイミングと展開時期を正確に把握することが、メーカーが効果的な棚割り提案を行うための第一歩となります。お取引先の小売企業や卸との適切な連携がカギです。

バイヤーの商品検討開始タイミングを把握する

小売チェーンのバイヤーは、棚割り決定の直前に初めて商品の検討を始めるわけではありません。

実際には、棚割り決定時期よりもかなり前の段階から、現行の棚割りにおける売上動向、トレンドや市場の動向、そして自社の課題解決に繋がりそうな商品の情報収集を踏まえ、来期の棚割りに関する検討を行っています。

こうした「バイヤーの商品検討開始タイミング」は、来期の棚割りの方向性を見極め、自社の提案を早期に届けるための重要な期間となります。

自社からの棚割り提案、そして商談をセットすべき最適なタイミング

棚割り決定と展開時期、そしてバイヤーの商品検討開始タイミングを把握した上で、自社からの提案タイミング、そして具体的な商談をセットすべきタイミングを逆算して設定することが不可欠です。

この最適なタイミングを逸してしまうと、たとえ魅力的な商品やデータに基づいた棚割り提案であっても、すでに他社の商品で棚割りの枠が埋まってしまっていたり、バイヤーの検討フェーズが終わってしまっていたりする可能性があります。会社やバイヤーによっては、〇月には全体の7割を決めて、その後は動向を踏まえて構成を変える、などといったやり方もあります。

逆に言えば、こうした棚割りのスケジュールが判明していないと、自社がいつ、どのようにアプローチすべきかが見えてこず、機を逸した場当たり的な営業活動に終始してしまうことになります。バイヤーのニーズに合致したタイミングで提案を行うことで、検討対象として認識される可能性が格段に高まります。

来期商品サンプルや販促資料の完成は、棚割り提案のタイミングと連動させる

棚割り提案のタイミングに合わせて、来期商品の商品サンプルや販促資料の準備も連動させる必要があります。例えば、バイヤーが新商品の検討を始める時期には、具体的な商品サンプルが手元にあり、その商品の魅力や棚割りによってどのような売上効果が期待できるかを説明できる販促資料が整っている状態が理想です。

準備が間に合わず、提案したい時期に適切な資料が揃っていないと、せっかくの商談機会を最大限に活かすことができません。「実物はすごく良いはずです」では、なかなか導入は難しいのが実情です。

製販(製造と販売)の密な連携が、この準備をスムーズに進める鍵となります。

営業チームの年間スケジュールと製販連携の重要性

自社の営業チームは、主要取引先(小売チェーン)について、上記で述べたような棚割り決定やバイヤーの検討開始の年間スケジュールを常に把握し、それに基づいて戦略的に動く必要があります。

これは単に商談日を設定するだけでなく、商品開発、製造、物流といった社内の他部門とも緊密に連携し、提案に必要な商品や情報がタイムリーに準備できるよう調整していくことを意味します。

定番棚をとるためには、棚の展開スケジュールに対応した納品は絶対です。これはスポット展開メインの会社にとっては大きなハードルといえます。生産開始タイミングを前倒しする必要が出るケースもあります。また、初めての全国展開で、インストアJAN張替え作業が間に合わないなどといったことがあると、自社だけでなく小売業にとっても大問題になってしまいます。

特に少数精鋭で営業活動する中小中堅企業においては、製販が一体となってお客様への提案に向けて動くことが、優位性を確立する上で重要となります。

小売業やアパレル業では、「52週MD」と呼ばれる有名な年間計画があります。52週MDとは、一年間を52週に分割し、それぞれの週ごとに商品計画、販売戦略、プロモーション活動を統合的に実行し、管理する経営手法を意味します。毎週、変化する顧客のニーズにきめ細かく対応しながら、最適な商品を最適なタイミングで市場に投入できるよう、PDCAサイクル(計画・実行・評価・改善)を迅速に回すことにより、売上の最大化と在庫の最適なバランス実現を目指すものです。

メーカーでの営業、とりわけ中小企業では、上述のような年間の営業アプローチ計画を持っていることは稀ですが、商品企画、販売、生産が緊密に連携し、効率的な販売戦略により組織全体のパフォーマンス向上を図ることは、非常に重要といえます。

実際に少数の営業チームで全国展開に成功している中小企業では、棚割り開始前にバイヤーに来期商品を紹介、そのフィードバックを踏まえて、企画そのものを軌道修正したり、生産数量を調整したりしています。

本部商談を制するためには、タイミングを制することが必要

本部商談における棚割り提案の成功は、提案内容の質だけでなく、そのタイミングが極めて重要です。小売チェーンの年間スケジュールとバイヤーの検討フェーズを深く理解し、それに合わせて自社の提案準備と商談設定を行うことで、お客様の売上貢献に繋がる、より効果的な棚割り提案が可能になります。

弊社では、雑貨・酒類・食品・菓子・消費財メーカーなどのお客様に特化し、営業戦略の立案から、実際の本部商談における戦術、具体的な提案資料作成のサポート、さらには営業チームのスキルアップや組織改革まで、一貫してサポートしています。お気軽にお問い合わせください。

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