事業承継に「強い税理士」の選び方と、税務だけでは終わらない成功の秘訣-企業成長支援- GDG
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2025.05.17
事業承継に「強い税理士」の選び方と、税務だけでは終わらない成功の秘訣
「事業承継を考え始めたけれど、まず税理士に相談すれば安心だろうか?」
経営者の皆様が事業承継を検討する際、真っ先に思い浮かぶ相談相手は税理士の先生かもしれません。確かに、自社株の評価や移転、相続税・贈与税のシミュレーション、節税対策など、事業承継には税務の専門知識が欠かせない場面が数多く存在します。そのため、税理士への相談は当然の選択であり、極めて重要です。
しかし、本当に後悔のない事業承継を実現するには、税金対策だけでは不十分なことがあります。会社の未来を誰にどう託すか、長年培ってきた経営の方向性や理念をどう次世代に伝えていくか、そして組織や従業員がスムーズに移行に適応できるかといった「経営の継承」が伴ってこそ、事業承継と言えるのです。
この記事では、「事業承継に強い税理士」を見極めるポイントと、その税理士の専門性を最大限に活かしながら、税務だけでなく経営面も含めて事業承継をより確実に、より円滑に進めるための秘訣をご紹介します。税務と経営、両方の視点を持つことが、皆様の会社を次世代に繋ぎ、さらなる発展を促す鍵となります。
1. 事業承継における税理士の「重要な役割」と「専門領域」
事業承継において、税理士が担う役割は極めて重要です。税務・財務のプロフェッショナルとして、その専門性が不可欠な場面が数多くあります。
税理士が果たす事業承継の重要な役割:税務・財務のプロフェッショナル
事業承継において、税理士は主に次のような重要な役割を担います。まず、自社株の適正な評価を行います。非上場企業の自社株評価は非常に複雑で、税金や承継後の経営権に直結するため、正確な評価を行い、将来を見据えた対策を提案します。次に、株式の移転方法の設計と実行をサポートします。相続、贈与、譲渡など、様々な株式移転方法の中から、税負担を最小限に抑えつつ、経営権の安定を図る最適なスキームを設計します。株式の分散を防ぎ、円滑な承継を実現するための助言も行います。
さらに、相続税・贈与税のシミュレーションと節税対策も重要な役割です。事前に税額をシミュレーションし、事業承継税制の活用、資産管理会社の設立、生命保険の活用など、具体的な節税策を提案・実行します。また、発生する税金に対する納税資金の確保に関する助言や、必要に応じて資産管理会社の設立を支援するなど、財産の移転や整理に関する専門的なアドバイスを提供してくれます。
特に自社株の扱いは、税負担だけでなく、後継者の経営権の安定にも深く関わるため、税理士の専門知識が不可欠です。信頼できる税理士は、これらの手続きをミスなく進め、税務リスクを最小限に抑える上で欠かせない存在と言えるでしょう。
税務・財務の領域を超えた「経営の継承」という側面
税理士は税務・財務のプロフェッショナルですが、事業承継は単なる「財産の移転」だけでは完結しません。**「会社を動かすのは株式だけではなく、人であり、組織であり、日々のオペレーションである」**という視点が不可欠です。
例えば、現経営者が長年培ってきた経営判断の基準、社員との信頼関係の築き方、取引先との交渉スタイル、そして組織全体の「空気感」や「イズム」といったものは、帳簿には表れません。これらを適切に引き継がずに後継者にバトンを渡してしまえば、引き継がれたのは会社のごく一部に過ぎず、実質的には承継が不完全になってしまうリスクがあります。
また、現場業務の属人化、後継者が社員の信頼を得られていないといった課題がある場合、承継後に組織が機能不全に陥る可能性もゼロではありません。業務の可視化やマニュアル化、後継者との段階的な役割移行など、「経営の引き継ぎ」には時間をかけた、戦略的な準備が必要なのです。
2. 「事業承継に強い税理士」を見極める3つのポイント
では、数ある税理士の中から、本当に事業承継に強い税理士を選ぶにはどうすれば良いのでしょうか?
ポイント1:事業承継に関する「専門知識と豊富な実績」があるか
日常的に法人決算や税務申告を行う一般的な税理士事務所と、事業承継支援に特化・注力している税理士事務所とでは、対応範囲にも実績にも大きな違いがあります。
具体的には、複雑な事業承継税制(納税猶予・免除など)の適用判断や手続きに関する具体的な経験が豊富か。非上場株式の評価や移転に関して、多様なケースにおける実績を多く持つか。そして、高度な税務戦略である家族信託や持株会社スキームの活用について、具体的な提案ができるか。これらの分野は高度な専門知識と豊富な経験が求められます。単に申告書を作成するだけでなく、複雑な事業承継の課題に対応できるかを確認しましょう。
ポイント2:税務の視点から「経営全体を見通す」提案力があるか
真に「事業承継に強い税理士」は、税務の視点に留まらず、貴社の経営全体を見渡し、将来にわたる承継の設計図を描ける存在です。
税金を抑えるだけでなく、経営権の安定、後継者の成長、従業員のモチベーション維持、取引先との関係性など、事業承継後の経営安定化まで見据えた提案ができるか。相続人や経営陣とのデリケートな関係性を考慮し、家族間のバランスや経営陣の意向、従業員の感情などを踏まえて、円滑な合意形成を促すための助言ができるか。税務のプロフェッショナルでありながら、経営者様の想いや会社の未来に寄り添い、多角的な視点から最適な道筋を描けるかどうかが、大きな違いとなります。
ポイント3:税務以外の「専門家ネットワーク」を有しているか
事業承継は税務だけで完結するものではありません。事業承継に強い税理士は、必要に応じて弁護士、司法書士、不動産鑑定士、そして私たちのような事業承継コンサルタントなど、他分野の専門家との強固なネットワークを持っていることが多いです。
これは、税理士ご自身が全ての専門領域を直接カバーするのではなく、それぞれのプロフェッショナルと連携することで、お客様に最適な「ワンストップ」での支援を提供できる体制があるかどうかの指標となります。
3. 税理士の力を最大限に活かすために:「経営の引き継ぎ」への備えと、事業承継コンサルティングの活用
税務の準備がどんなに万全であっても、事業がうまく引き継がれるとは限りません。会社を未来に繋ぎ、さらに発展させるためには、税務以外の「経営の引き継ぎ」への備えが不可欠です。
現経営者が当たり前のように行っている日々の判断基準、長年かけて築き上げた社員との信頼関係、取引先との交渉スタイル、そして組織の根底にある「空気感」や「イズム」といったものは、帳簿には決して表れません。しかし、これらを適切に引き継がずに後継者にバトンを渡してしまえば、引き継がれたのは会社のごく一部に過ぎず、実質的には承継が不完全になってしまう可能性があります。
また、現場の業務が特定の個人に強く依存(属人化)していたり、後継者がまだ社員の信頼を十分に得られていなかったりする場合には、承継後に組織が機能不全に陥るリスクも考えられます。業務の可視化やマニュアル化、そして後継者との段階的な役割移行など、「経営の引き継ぎ」には時間をかけた、周到な準備が求められます。
事業承継コンサルティングの活用:税務と経営の両輪で進める
こうした税務以外の経営課題に対応するために、事業承継コンサルタントの活用が有効です。私たちは税理士の皆様と連携し、その専門性を最大限に活かしながら、経営の継承も包括的に支援します。
例えば、私たちは後継者の経営戦略構築を支援し、新たな時代に適合した経営戦略の構築をサポートします。組織・人事の再設計とキーマン育成にも力を入れ、承継後の組織がスムーズに機能するよう、組織体制を見直し、会社の未来を支えるキーパーソンの育成をサポートします。さらに、業務改善と見える化を通じて属人化を解消し、業務プロセスを標準化・マニュアル化することで、後継者がスムーズに業務を習得できる環境を整えます。企業文化・ビジョンの浸透支援も行い、経営者の想いや会社のイズムを言語化し、次世代へ確実に浸透させるための具体的な方法を提案します。
特に中小企業の事業承継においては、経営者の「感覚」や「肌感覚」といった言語化しにくいノウハウの引き継ぎが非常に重要です。これらを言語化し、仕組み化していくプロセスには、事業承継の支援に関するプロフェッショナルの関与が不可欠となります。こうした複合的な事業承継に関する支援体制があることで、税務面での不安を解消しながら、同時に経営の継承準備を戦略的に進めることが可能になります。皆様の税理士と連携し、税務と経営の両輪で事業承継を推進することが、皆様の会社が次世代でさらに発展するための強力なサポートとなるでしょう。
4. まとめ:税務と経営、両輪で進める事業承継
税理士は、事業承継における税務対策の面で欠かせない、極めて大切なパートナーです。しかし、税務的な対応だけでは、事業そのものを未来に渡し、発展させることはできません。経営者の皆様の思い、現場の空気、組織の動き、そして社員との信頼関係。それらを丁寧に引き継ぐことこそが、本当の意味での事業承継です。
私たち株式会社グランド・デザイニング・グループ(GDG)は、皆様の税理士と連携しながら、経営・組織・業務の観点からも事業承継を支援しています。次世代に事業をつなぐだけでなく、承継後の発展まで見据えた事業承継をご提案いたします。
「現在の税理士には相談しているけれど、経営面の引き継ぎに不安がある。」 「後継者が決まっているものの、組織体制が不安定で悩んでいる。」 「税務だけでなく、会社全体を見て事業承継を成功させたい。」
もしそのようなお悩みをお持ちでしたら、ぜひ一度ご相談ください。